BLOG ブログ

相続登記の義務化についての話【その1】

最近話題の相続登記の義務化について,あれってどうなの?いつからなの?…と,聞かれることが多くなってきました。
そこで,相続登記の義務化のお話を簡単にしたいと思います。


これまでは,相続登記は「義務」ではなく「権利」でした。
なので,相続登記がなされずに何代も前の名義のままの不動産が,日本には多くあります。
しかし,それにより,『所有者不明土地問題』が生じ,その解決は日本の喫緊の課題とされてきました。
そこで,今般法改正により,相続登記が義務化されることになったのです。

相続登記の義務化についての法改正は,令和3年4月28日に公布されましたが,いつから施行されるかというと,公布後3年以内の日ということになっています。なので,遅くとも令和6年4月までには施行されます。そして,施行されると,相続登記は義務化され,相続登記をしないでいると罰則を受ける可能性も出てきます。
この義務と言うのは,いつの相続の分が対象になるのか,というところが気になる点ですよね。
つまり,法改正があったとき以降の相続だけが対象になるのだろうかということなんですが,そうではありません。法律の施行日以前の相続も対象になるということが決まっています(「民法等の一部を改正する法律」附則第5条第6項)。
ということは,『今』日本中にたくさんある相続登記がされていない不動産のすべてが対象になってしまうのです。

では,相続登記の義務について,具体的なことを説明します。
法律のことばをそのまま使うと,「自己のために相続の開始があったことを知り,かつ,当該所有権を取得したことを知った日から3年以内」に相続登記をしなければなりません。
(また,法定相続分で相続登記をしたあとに,相続人間で遺産分割協議が成立した場合にも,そこから3年以内に,遺産分割で決まったとおりの登記をしなければなりません。)
これが原則です。
おおざっぱに言うと『相続があったら3年以内に登記をしましょう』ということです。
この義務を果たさずほったらかしにしているとどうなるかというと,10万円以下の過料に処する旨の罰則規定が設けられています。

『今』相続登記がされていない不動産についてはどうかというと,自己のために相続の開始があったことを知り,かつ,当該所有権を取得したことを知った日又は改正法の施行日のいずれか遅い日から3年以内に相続登記をしなければならないことになります。


相続登記が済んでいない方は,早めに手続きされることをお勧めします。
司法書士松田法務事務所では,相続に関するご相談を年中無休で承っておりますので,どうぞお気軽にご相談くださいませ。


※『相続登記が義務化されるということは分かった・・・でも,たとえば相続人の数が多くて遺産分割協議をしようにもすぐに話がまとまらないとか,連絡がつかない人がいるとか,認知症等で判断能力が衰えている人がいるとか,決められた期限である3年以内に相続登記をしたくても実際無理だよっていう場合もあるじゃないか!そんなときはどうしたらいいんだ!?」と思われた方もいるかと思います。その話は次回に改めてさせていただきます。

つづきはこちらをお読みください!